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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
外陰・膣腫瘍 組織内照射を含む化学療法併用放射線療法が著効した若年性進行膣癌の一例
森田 加奈子, 山道 玄, 平嶋 泰之, 山田 義治
静岡県立静岡がんセンター婦人科
原発性腟癌は女性性器癌の中でも頻度が低く,特に40歳未満では極めて稀である.進行膣癌の手術療法としては,骨盤除臓術又はそれに準ずる侵襲の大きな手術が必要となることが多く,患者のQOLを考慮して放射線療法単独を選択することが多かった.今回我々は,組織内照射を含む化学療法併用放射線療法を施行して良好な結果を得た若年性進行腟癌の1症例を経験したので報告する.症例は36歳,2経妊1経産.既往歴及び家族歴に特記すべきことなし.平成15年4月不正出血あり近医受診.腟に乳頭状腫瘤を認め,腟癌の疑いで当院へ紹介となった.腟壁6時〜9時の方向から腟内に隆起する易出血性の腫瘍で,生検では扁平上皮癌であった.直腸診で腫瘍は右骨盤壁まで達しており,臨床進行期は3期と診断し,当院の治療方針にのっとり,化学療法併用放射線療法を開始した.CDDP30mg/m2毎週投与を行いながらの全骨盤照射を開始した.CDDP3コース・照射線量30.6Gy/17回が終了した時点で腫瘍の二方向測定で約75%の縮小をみた.残存腫瘍に高線量の照射を行なうため組織内照射を選択し,硬膜外麻酔+全身麻酔下に適宜直腸診と経直腸超音波にて方向を確認しながら会陰より腫瘍に針を刺入し,同日より計30Gy/5回の組織内照射を行なった.その後は中央遮蔽して全骨盤照射を総線量50.4Gy/28回まで続行した.組織内照射後の化学療法併用は出来なかったが,腫瘍は触診では殆ど触れないまでに縮小した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
313-313, 2003
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