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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
外陰・膣腫瘍
腟に発生した悪性末梢神鞘腫瘍の一例


川上 香織, 紅露 有子, 糸数 功, 外村 光博, 鈴木 良知, 中村 秋彦
国立病院横浜医療センター産婦人科


 悪性末梢神鞘腫瘍は末梢神経から発生,あるいは末梢神経への分化を示す悪性腫瘍で,多くは頭部,頚部,四肢や体幹から発生する.20〜50歳に好発する.腟からの発生は稀で,腟から発生する腫瘍の約3%を占める間葉系悪性腫瘍の中でも,ほとんど報告がない稀な疾患である.患者は77歳の女性.4経産.子宮の下垂感があり,近医を受診.腟壁腫瘍の診断にて当院紹介受診.腫瘍は腟壁の1/3を占め,1〜4時方向から発生する太い基部を持ち表面は平滑であった.大きさは約5×4×3cmで可動性は良好であった.生検を行ったが,悪性の所見は得られず,全身麻酔下で腫瘍摘出術を行った.病理組織学的診断は,malignant nerve sheath tumor(malignant Shuwanoma)であった.摘出物の検索でsurgical margin(-)であったが,周囲への浸潤が疑われたため,放射線療法を行った.局所の再発は認められないが,放射線治療終了時に多発性の肝転移が認められた.今回我々は,膣に発生する腫瘍の中でも極めて稀で予後の悪い疾患を経験したので,文献的な考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 313-313, 2003


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