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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
絨毛性腫瘍・その他
胞状奇胎娩出後早期に診断された臨床的絨毛癌の一例


藤田 寛子, 佐々木 康, 奥山 大輔, 鈴木 明
東芝病院産婦人科


 近年,わが国における絨毛癌の発生頻度は生産1万に対して0.42であり,約10年間で2/3〜1/2に減少した.絨毛癌は悪性度の高い癌であり,その自然史はほぼ100%が死に帰結するが,進行癌でも多剤併用化学療法で治癒し得る数少ない癌のひとつである.そのため,奇胎娩出後厳密な管理を行って,続発症の発生を早期に診断し治療を行うことが重要である.今回我々は,胞状奇胎娩出後早期に診断された臨床的絨毛癌を経験したので報告する.
 症例は34歳,6回経妊4回経産.無月経,性器出血を主訴に他医を受診したが,妊娠反応陽性にもかかわらず超音波上GS不明のため,平成15年3月27日当科に紹介された.初診時,経腟超音波上胞状奇胎を疑い,翌日子宮内容除去術を施行した.入院時尿中hCG値は128,000IU/lと高値を示した.肉眼的に全胞状奇胎と診断し,4月4日再掻爬施行した.奇胎娩出後3週の尿中hCG値は1,000IU/lと順調に低下したが,5週の時点で尿中hCG値8,000IU/lと再上昇したため経過非順調型と診断し,精査,加療目的で直ちに入院とした.入院後MRI(MRA),CT等施行したところ,子宮に病巣を認め,さらに肺にも多発性転移を認めた.その他の臓器には転移を認めなかった.血中hCG値は51,000mIU/mlであった.絨毛癌診断スコアにて5点以上となり臨床的絨毛癌と診断し,直ちに化学療法を開始した.現在なお治療中であるが,重大な副作用もなくhCG値は順調に低下,転移巣も縮小傾向にある.
 今回我々は,胞状奇胎娩出後早期に診断された臨床的絨毛癌を経験したので,FIGO並びにWHOの新分類を含め報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 317-317, 2003


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