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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
骨盤腫瘍(2)
静脈内平滑筋腫症の一例


三沢 昭彦1), 肥留間 理枝子1), 中島 邦宣1), 松本 隆万1), 高田 全1), 柳田 聡1), 篠崎 英雄1), 鈴木 永純1), 小林 重光1), 神谷 直樹1), 安田 允1), 田中 忠夫2)
東京慈恵会医科大学附属柏病院産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科2)


 静脈内平滑筋腫症は極めて希な疾患で,子宮筋腫あるいは子宮内静脈壁から生じた腫瘍が静脈内に進展したものであり,時に下大静脈から右心房にまで達することがある.また静脈内平滑筋腫は良性疾患とされるが,再発例や遠隔転移を疑わせる症例報告もあり,術後の十分な治療や管理が必要であると考えられる.今回我々は静脈内子宮平滑筋腫症の一例を経験したので若干の文献的考察を加えこれを報告する.症例は46歳,2G2P.前医にて1年前より子宮筋腫を指摘されていたが腫瘍増大傾向ならびに画像上筋腫の変性を認め,精査目的にて平成15年5月16日に当科紹介初診.内診上,子宮は小児頭大でやや硬く可動性不良,付属器触知せず.超音波上,子宮は著明に腫大し内部は不均一エコー像を呈していた.CT上,子宮は不整形に著明に腫大し,周囲臓器への癒着及び浸潤も疑われたが,骨盤内及び膨大動脈リンパ節の腫大を認めず,腹水や明らかな肝内等への転移像も認めなかった.子宮頸管細胞診は正常であったが内膜細胞診ではクラスIIIであった.腫瘍マーカーはいずれも正常範囲内であった.以上の所見より子宮肉腫を疑い平成15年6月20日に開腹術を施行.腫瘍は頭側は右付属器を一塊に巻き込み右卵巣動脈起始部まで,尾側は左基靭帯血管,前面は膀胱筋層へ浸潤していた.術後病理組織検査にて腫瘍は膨張性発育と浸潤性発育を伴うもののmitosisは無く,静脈内にfloridに浸潤し子宮のほぼ全域に広がり,intravenous leiomyomatosisの診断であった.腫瘍の増殖進展にはestrogenが関与しているとの報告があり,現在免疫特殊染色にてestrogen receptorならびにprogesterone receptor等を追加検索中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 322-322, 2003


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