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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
感染症 当科におけるPID症例の検討
曽根 淑恵, 西原 沙織, 幡 亮人, 幡 優子, 阿部 礼子, 古堅 善亮, 三橋 直樹
順天堂大学伊豆長岡病院産婦人科
PIDは診断が難しい場合が多く,また保存的治療か外科的治療か苦慮することがある.当科で,1998年より2002年の間に入院治療が必要だったPID39例について検討したので報告する.年齢は平均28.8±11.8歳(50歳代5%,40歳代18%,30歳代15%,20歳代34%,10歳代28%)で72%が妊娠の既往があり30%が既婚者であった.主訴は腹部症状が95%(右下腹部痛14例,左下腹部痛19例,臍痛1例,上腹部痛1例,右季肋部痛2例)に認められ,5%は吐気倦怠感等であった.入院時の検査所見は,平均白血球数11973±6227,平均CRP 5.8±7.9で,体温38°以上は35%あった.検出された菌はクラミジア20%,グラム陽性菌25%,グラム陰性桿菌2%,嫌気性菌2%,混合感染13%,不明なものは38%であった.治療は43%が手術,57%が保存的治療であり,他科よりコンサルトされ,手術で確定診断された症例は20%であった.保存的治療を行った症例の平均入院日数は5.0±2.1日間であった.PIDの症例はほとんどの症例で腹痛が認められたが,その部位は様々であった.症例によっては開腹にてPIDの診断が確定することも少なくなかった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
324-324, 2003
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