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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
婦人科手術 子宮腔内病変に対する腹腔鏡および腹腔内超音波補助下子宮鏡レーザー手術の臨床的検討
斎藤 恵, 深見 武彦, 松島 隆, 可世木 久幸, 朝倉 啓文, 竹下 俊行
日本医科大学産婦人科
【緒言】近年子宮腔内病変に対して子宮鏡手術が広く行われるようになってきた.従来のモノポーラ電極を用いたレゼクトスコープでは,非電解質液の大量灌流による水中毒等の合併症に十分配慮する必要がある.そこでわが教室では腹腔鏡および腹腔内超音波補助下子宮鏡レーザー手術を行ってきたので,その臨床成績を分析・検討した.【対象と方法】対象は平成12年1月から平成15年1月までに当院にて本術式を行った24例(粘膜下筋腫17例,中隔・弓状子宮4例,子宮腔癒着症3例)である.術式は気腹後,腹腔内に乳酸リンゲル液を注入し腹腔内超音波プローベを腹腔内へ挿入する.そして腹腔鏡・腹腔内超音波ガイド下にヒステロスコープより,Nd-YAGレーザーを挿入し超音波画面でレーザー先端を確認後25Wで蒸散を行った.なお還流液には乳酸リンゲル液を使用した.【成績】1.手術時間は,気腹操作時間も含めて114±27分(平均±標準偏差)であった.2.出血量は殆ど測定限度以下であり,子宮穿孔や水中毒等の合併症も無かった.3.術前・術後の血液データではK値が平均4.3→3.7mEq/lと有意に低下した他は,他の電解質やHb,Htに有意な変化は無かった.4.再手術を必要とした例は1例(子宮腔癒着症)であった.【結論】本術式ではヒステロファイバースコープと電解質輸液の使用および腹腔鏡および腹腔内超音波ガイドのため,より優れた操作性と高い安全性・確実性を有する.それゆえ子宮鏡手術の初心者にもより適した術式であると考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
325-325, 2003
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