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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
婦人科手術 婦人科疾患において肺血栓塞栓症予防のため一時的下大静脈フィルターを留置した4症例
池田 仁恵, 安井 功, 杉山 太朗, 井面 昭文, 村松 俊成, 村上 優, 牧野 恒久
東海大学専門診療学系産婦人科
肺血栓塞栓症,深部静脈血栓症は婦人科領域においても認識が必要な疾患である.その認識も広がりつつあるが,本邦での予防策,治療などにおける大規模な検討は未だ行われていない.婦人科手術後,肺血栓塞栓症をきたす症例は比較的多く,近年,ヘパリンまたは低分子ヘパリンの投与が行われているが,その診断と予防的措置に確立された方法はない.当科では肺血栓塞栓症,深部静脈血栓症のハイリスクグループの対応として,1)弾性ストッキングの着用,間欠的空気加圧式ポンプの使用,2)凝固・線溶系マーカー(TAT,PIC)の測定,3)Multislice CTにて,胸部〜足部までの造影CTの施行を行い術前より積極的に血栓の予防に努め,肺血栓塞栓症合併のハイリスクと考えられる患者に対して一時的下大静脈フィルターの留置を行っている.しかしながら,その予防的留置にあったては,侵襲的処置であること,コストも高価であることなどからその適応の決定には慎重を要する.当科において予防的一時下大静脈フィルターを留置した4症例【(1)26歳境界悪性卵巣腫瘍,(2)61歳卵巣癌IIc期,(3)54歳巨大子宮筋腫,(4)59歳巨大子宮筋腫】について報告するとともに,肺血栓塞栓症の原因となる深部静脈血栓症の検索手段,その予防的措置について提示する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
326-326, 2003
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