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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
婦人科一般 「WHIの中間報告」が当科更年期外来初診患者の治療方針に及ぼした影響についての検討
張簡 珮怡, 牧田 和也, 小久保 靖子, 何川 宇啓, 石谷 健, 堀口 文, 吉村 泰典, 野澤 志朗
慶應義塾大学産婦人科
【目的】前回の第106回本学術集会において,われわれは昨年7月の米国NIHのWomen’s Health Initiative(WHI)によるホルモン補充療法(HRT)に関する大規模前向き臨床試験の中間報告が,当科更年期外来のHRT施行者に及ぼした影響について報告した.今回われわれは,この報告が当外来初診患者の初回治療方針に及ぼした影響について調査を行ったので報告する【方法】対象は,当科の更年期外来である中高年健康維持外来に2001年7月から2002年6月末までの1年間に受診した初診患者126例(A群(と2002年7月から2003年6月末までの1年間に受診した初診患者80例(B群)で,初診時の問診,検査の結果を経て当外来にて施行した初回治療の有無とその内容について調査を行った.【成績】(1)A群においては,41例(32.5%)が結合型エストロゲン,エストリオール,経皮型エストロゲンパッチのいずれかを用いたHRTを選択し,23例(18.3%)が男女混合ホルモンの筋肉注射を選択していた.(2)B群においては,15例(18.7%)がHRTを施行し,13例(16.2%)が男女混合ホルモンの筋肉注射を選択していた.したがってB群では,A群に比し有意に(p<0.05)HRT施行者が減少していた.【結論】A群に対してB群の初診患者の減少には,昨年春の医療費改訂など他の要因も背景にあるものと考えられるが,初診患者の初回治療におけるHRT施行者の有意な減少には,このWHIの中間報告の影響が少なからずあるものと考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
329-329, 2003
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