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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
不妊・内分泌(1) Asherman症候群保存療法後に2回の妊娠が成立した1例
三宅 秀彦, 國重 浩二, 谷内 良成, 横田 明重, 佐々木 茂, 越野 立夫, 中井 章人, 竹下 俊行
日本医科大学産婦人科
症例は2回経妊,1回経産婦.31歳で微弱陣痛による分娩停止の適応で帝王切開,33歳で自然流産のため流産手術の既往がある.この流産後より無月経となり,これを主訴に平成12年5月9日当科初診.基礎体温は2相性で,月経と思わしき時期に少量の出血と月経困難症様の下腹痛があった.以上の所見より子宮性の無月経を強く疑い,子宮卵管造影を施行,造影剤は4ml程度しか注入できず子宮内腔の造影領域も小さかったため,Asherman症候群と診断した.このため子宮腔をHegar拡張器にて段階的に拡張し,さらにホルモン療法を併用したところ,通常の月経が再開した.治療効果判定のため再度子宮卵管造影を施行したところ,子宮内腔に一部の癒着を残す状態となった.その後もHegar拡張器による拡張を継続したところ,自然妊娠が成立.切迫流早産傾向も認めず,平成14年3月11日,妊娠38週1日に前回帝王切開の適応で帝王切開を施行,2794gの女児を得た.術後hCGも順調に低下した.その後,特に大きな訴えは無かったが,平成15年3月7日,再度無月経を主訴に受診,妊娠と診断.胎児心拍確認できず子宮内胎児死亡と診断,平成15年3月18日子宮内容除去術を施行した.しかし,流産手術後5週間めにおいても尿中hCGは1162IU/lと持続していたため,絨毛遺残と診断,再度子宮内容除去術を施行.その後,hCGは順調に低下した.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
330-330, 2003
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