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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
不妊・内分泌(2)
HIV serodiscordant coupleに対する洗浄精子を用いた体外受精の臨床


吉田 宏之1), 久慈 直昭1), 田中 雄大1), 揚 毅1), 浅田 弘法1), 橋場 剛士1), 岩田 壮吉1), 末岡 浩1), 松本 智子2), 吉村 泰典1), 野澤 志朗1)
慶應義塾大学産婦人科1), 慶應義塾大学精神神経科2)


 【緒言】後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因ウイルスであるhuman immunodeficiency virus(以下HIV)は精液を介して感染するため,夫がHIV陽性,妻がHIV陰性の挙児希望夫婦(以下serodiscordant couple)に対して洗浄操作により精液からHIVを希釈除去して人工授精,体外受精・顕微授精を行う方法が,水平感染のリスクを減少させる方法の一つとして報告されている.今回我々はこの方法で妊娠・出産例を経験したので,本法の臨床応用について治療開始時のカウンセリングの経験を含めて報告する.【方法・結果】本法を希望して当院へ来院したカップルは現在までに,夫が血友病である7カップルを含む9カップル,また,来院時の妻の年齢は20代3カップル,30代5カップル,40代1カップルであった.原則全例に夫婦別個に専門のカウンセラーによるカウンセリングをうけるようすすめているが,6カップルが実際にこれを受けた.2カップルで夫が治療に積極的ではなく,このうち1カップルが治療を中断した.当院にて妊娠経過をみた2症例中,1例が分娩に至った.この症例では妊娠経過中の母体HIV抗体は陰性,感染症扱いでの分娩であったが出生直後の臍帯血PCRは陰性であった.生後1年で母児ともHIVは陰性である.【結語】HIV感染症は,周産期で最も重要な感染症のひとつである.洗浄精液を用いた治療の最も大きな意義は,「子供をつくる」という希望を夫婦に与えることにあるが,その臨床応用にあたってはきめ細かいカウンセリングや分娩時の取り扱いなどにいくつかの留意点が必要であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 333-333, 2003


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