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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
不妊・内分泌(2)
当科における胚盤胞移植時の移植胚数の検討


渋谷 伸一, 尾崎 智哉, 松本 美奈子, 鳥居 裕一
聖隷浜松病院産婦人科


 【目的】昨今受精卵の培養技術が向上し,分割胚移植からより培養期間を延長した胚盤胞移植を行う施設が増加している.当科においても2000年より胚盤胞移植を取り入れ,妊娠率の向上が認められたが,多胎率も同様に増加している.多胎予防のため当科では不妊治療前の説明で34歳以下の初回胚移植例に対して2個までの胚移植としているが,胚盤胞移植に対しては初回例で1個胚移植を推称するに留まっている.今回我々は胚盤胞移植で年齢における妊娠率・多胎率の変化と良好胚の有無が妊娠率・多胎率に及ぼす影響について検討したので報告する.【方法】2001年1月1日より2003年4月30日までに当科にて体外受精・胚盤胞移植を計画した288周期を対象とした.平均年齢は35.1±4.0歳であり,29歳以下23周期をAグループ(以下A),30歳から34歳109周期をBグループ(以下B),35歳から39歳117周期をCグループ(以下C),40歳以上39周期をDグループ(以下D)とし妊娠率・多胎率について検討した.また,胚移植日に胚を評価しGardner分類で3AA以上を良好胚とした.【成績】良好胚が入らなかった場合の妊娠率(%)はA,B,C,Dの順に16.7,2.65,25.5,10.5であり,良好胚が1個入った場合は100.0,55.2,34.3,18.2,2個入った場合は69.2,56.0,52.6,66.7であった.多胎率(%)は良好胚が入った場合45.5,26.7,13.6,0.0であった.【結論】妊娠率・多胎率とも年齢が若いほど高く,若年者では良好胚がある場合には1個胚移植が多胎率を減少させるためには有用であることが示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 334-334, 2003


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