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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
性器病理
単角子宮に子宮・卵管留血腫を伴った副角子宮と腎無形成を合併した一例


木村 活生1), 石山 朋美1), 小山 麻希子1), 岡本 真知1), 高島 邦僚1), 村瀬 真理子1), 池田 万里郎1), 平原 史樹2)
横浜市立大学附属市民総合医療センター婦人科1), 横浜市立大学大学院医学研究科生殖生育病態医学2)


 今回我々は月経困難,不妊症を主訴に来院した女性で,単角子宮に子宮・卵管留血腫を伴った非交通性副角子宮を認め,同側の腎無形成と子宮内膜症を合併した症例を経験したので報告する.
 症例は33歳女性.初経時より強い月経痛があった.他院にて超音波検査・CT検査により,子宮奇形と左腎無形成を指摘された.同院外科で左ソ径ヘルニアの手術を受ける際,診断目的に腹腔鏡検査施行し,双角子宮と診断された.
 不妊症,月経痛増悪を主訴として当科受診.超音波検査・MRI検査で分離した二つの子宮・左子宮留血腫・左附属器腫瘍を認め,右子宮にのみ膣,子宮膣部を認め,また子宮卵管造影では,右子宮,卵管のみが描出された.IVPにて左腎欠損を認めた.月経痛が徐々に増悪したため,非対称性子宮奇形・左子宮留血腫・左子宮内膜症性嚢胞を疑い開腹手術を施行した.
 術中所見としては左右の子宮は分離しているが索状物で連絡があり,左附属器周囲には子宮内膜症による癒着を認めた.左子宮・卵管が留血腫となっており,これを摘出した.左子宮には子宮膣部は存在せず,膣と連続性を認めず盲端に終わっていた.
 術後,月経痛は軽快した.
 初経より継続した月経痛を訴えて来院した場合には本症例のような疾患も考慮すべきであると考えられた.月経血流出障害のある子宮奇形と子宮内膜症の合併も知られており,子宮奇形の早期診断と妊孕性を考慮した適切な治療が必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 335-335, 2003


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