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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
性器病理 腟横隔膜を合併した双頚双角子宮の一例
山道 玄, 佐野 弥生, 原田 洋子, 大森 元, 出向 洋人, 窪田 利幸
国立東静病院産婦人科
双頚双角子宮は発生学上の異常を伴うため,腟奇形を合併することが多い.腟奇形のうち,腟横隔膜症は8〜9万人に1人の発生頻度と言われており,腟縦隔に比べ極めてまれな疾患である.今回われわれは双頚双角子宮の左側子宮腟部下方に多層性の腟横隔膜を認め,診断に苦慮した症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例は11歳.初経は平成13年11月.平成14年5月に月経困難を主訴に近医受診.骨盤内に腫瘍があり,当科紹介された.超音波検査上,双頚双角子宮とともに子宮下部に嚢腫を認めた.MRIで嚢腫は血腫と指摘され,左側腎無形成も合併していた.6月上旬に腰痛の増強,肛門痛出現し,6月5日入院.同月7日子宮頚管閉鎖症として,全麻下で頸管拡張を行った.術後4ヶ月間は月経痛なく,経腹超音波検査所見上,嚢腫認めなかった.10月に月経困難・肛門痛再発.嚢腫も認めるようになってきた.腟横隔膜を疑い,12月25日全麻下で手術を施行.多層性の腟横隔膜を認め,腟中隔開窓術となった.その後血液貯留なく経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
336-336, 2003
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