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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
性器病理 片側腟留血腫を呈した重複子宮例の診断・治療
伊香 加納子1), 古谷 健一1), 長谷川 ゆり1), 田中 壮一郎1), 松田 秀雄1), 笹 秀典2), 菊池 義公1)
防衛医科大学校産婦人科1), 防衛医科大学校分娩部2)
腹満感を主訴に来院した片側腟留血腫を呈した重複子宮の1例を経験したので報告する.症例は12歳女性.初経は11歳で以後整順,徐々に増大する腹満感を主訴に来院,腹痛はなし.腹部は膨満し,臍上に達していた.経腹超音波断層法,腹部CT,骨盤MRI,静脈性尿路造影などの精査にて,重複子宮,重複腟,片側腟留血腫,片側腟閉鎖及び右腎無形成,左重複尿管と診断した.外陰部の所見では,膨隆した片側腟に圧迫され,片側腟開口部は不明瞭であった.腟壁開窓術及び腹腔鏡検査を施行した.腟壁開窓術では,切開と同時に濃縮した月経血約500mlを排出し,腟開口部の形成術を施行した.腹腔鏡所見では,月経血排出とともに左右対称の重複子宮を認め,両側卵管は正常で留血腫を認めず,両側卵巣も正常であった.腹腔内に子宮内膜症病変を認めなかった.腟壁の病理組織所見では,軽度炎症を伴った腟粘膜と頚管粘膜を認めるのみであった.術後経過は順調で,両側腟口は開口し,月経量の増加を認めている.本症例の経験により,腹腔内所見の確認,妊娠予後の推測のために腹腔鏡検査の併用は有用であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
337-337, 2003
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