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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
血液・凝固 妊娠中に発症した急性白血病の二例
望月 朋子, 澁谷 裕美, 手塚 彩子, 橋本 玲子, 佐野 裕子, 尾崎 恒男, 酒井 謙, 酒井 啓治, 土屋 清志, 岩下 光利, 中村 幸雄
杏林大学産婦人科
白血病と妊娠が合併することは稀で,約10万回に1回と報告されている.今回,我々は,妊娠初期に発症した急性リンパ球性白血病の一例と,妊娠後期に発症した急性前骨髄球性白血病の一例を経験したので報告する.症例1は30歳,0妊0産,妊娠17週に嘔吐を主訴として来院.血液検査にて著明な血小板減少を認め,骨髄穿刺の結果急性リンパ球性白血病と診断.内科に転科し,化学療法を2クール施行後,妊娠30週3日,帝王切開にて1334gの女児を出産.児に骨髄抑制は認められなかった.術後10日目骨髄移植目的にて,他院へ転院となった.症例2は38歳,1妊1産,妊娠36週時の採血にて著明な貧血,血小板減少を認め,検査の結果急性前骨髄性白血病と診断され,All-trans retinoic acid(ATRA)にて分化誘導両方開始したところ,肺水腫を呈したため当院へ搬送となった.搬送後,自然破水し,徐々に呼吸状態も悪化したため,妊娠37週3日,血小板輸血後,全身麻酔下に帝王切開術施行し,2674gの女児を娩出した.これらの症例に若干の文献的考察を加え報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
340-340, 2003
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