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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
子宮外妊娠
最近経験した頚管妊娠の2症例


嘉治 真彦1), 武者 晃永1), 山内 格1), 八幡 剛喜2), 飯塚 義浩1), 生方 良延1), 秋葉 雅夫1), 高橋 康一4), 岩下 光利3), 中村 幸雄3)
伊勢原協同病院産婦人科1), やはたウイメンズクリニック産婦人科2), 杏林大学産婦人科3), 杏林大学保健学部4)


 頚管妊娠は妊娠1000〜18000例に1例,異所性妊娠の中での部位別発生頻度は自然妊娠0.15%,ART妊娠1.5%とされる稀な疾患である.今回当院ではこの1年間に頚管妊娠を2症例経験した.【症例1】30歳,女性,1回経妊0経産,不正性器出血を主訴に初診.妊娠反応陽性,膣鏡診,内診,経膣超音波など行い,最終月経より妊娠6週頚管妊娠の診断.圧迫止血試みるも有効でなく,子宮全摘出術も考慮しながら経膣的に両側子宮動脈下行枝結紮を行った後に子宮内容除去術を施行し,子宮頚管内の電気メスによる焼灼,アビテンシートR(微繊維性コラーゲン塩酸塩)頚管内充填,ヨードホルムガーゼ膣内充填にて止血した.頚管内絨毛組織遺残も考えられ,同日より5日間MTXを投与した.その後hCGは下降し再出血も認めなかった.【症例2】27歳,女性,3回経妊0経産,不正性器出血を主訴に初診.妊娠反応陽性,膣鏡診,内診,経膣超音波など行い,妊娠7週頚管妊娠の診断.ヨードホルムガーゼ膣内充填にて止血したため,同日より5日間MTXを投与した.その後hCGは下降傾向となり,胎児心拍も消失したが,初診より20日後に再出血した.圧迫止血を試みるも有効でなく,経膣的に両側子宮動脈下行枝結紮を行った後に子宮内容除去術を施行し,アビテンシートR(微繊維性コラーゲン塩酸塩)頚管内充填,フォーリーカテーテル頚管内留置にて止血した.その後hCGは順調に下降し再出血も認めなかった.2症例とも子宮を温存し得た.若干の考察を加え報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 345-345, 2003


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