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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
妊娠・分娩(1) PCOSで妊娠糖尿病を呈した患者の一例
小林 友季子, 沼野 由記, 加賀 俊章, 中村 友紀, 松浦 広明, 水主川 純, 河村 隆一, 大橋 涼太, 小澤 英親, 西口 富三, 杉村 基, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科
PCOSの原因のひとつとして,インスリン抵抗性が挙げられる.今回われわれはPCOSの自然経過中に妊娠し,GDMを発症した症例を経験したので報告する.症例は26歳の4経妊2経産婦.第二子出産後,体重20kg増加(BMI33),挙児希望にて当院不妊外来受診.H14年4月PCOSと診断,クロミッド,hMG-hCGで治療し,ホルモン値正常化するも,妊娠に至らず.その後受診されていなかったがH14年9月12日をもって自然妊娠.近医にて妊娠健診を受けていたところ,妊娠21週より尿糖+,33 wHbA 1 c 7.5%,35週時75gOGTTにてDMと診断.当科紹介され,H15年6月2日(36週4日)当院入院.入院時,血糖値食前111,2時間値200と高値を示し,食餌・インスリンにてコントロール.38週分娩を誘発し,肩甲難産なるも4094g男児を経膣分娩す.児に低血糖,奇形等異常はなかった.分娩後血糖は正常値になり,産褥5日目に退院した.本症例は不妊で通院中,糖尿病や体重増加への対策などは特に行われず,その後,最終的に妊娠糖尿病を呈したものである.PCOSの原因の一つにインスリン抵抗性が挙げられているため,特に肥満を伴うPCOS患者には糖尿病の検索をし,食事,インスリン等で適切に治療し,妊娠糖尿病の発症を予防すべきだと思われた.この症例を若干の文献的考察を加え報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
350-350, 2003
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