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<< 学会誌へ戻る 妊娠中の急性腹症は，妊娠子宮による腹腔内臓器の位置関係の変化，および妊娠子宮そのものが障壁となり診断に苦慮することがある．治療に際しては流早産のリスクが上昇するために積極的に手術を決定できずに対応に苦慮する場合もある．今回われわれは妊娠28週で急性腹症を発症した卵管水腫茎捻転の1例を経験したので報告する．症例は20歳初産婦，既往歴，家族歴に特記事項なし．近医にて妊婦健診を受けていて妊娠経過に異常なかった．妊娠28週2日に右下腹部痛出現し近医受診後当科紹介され受診した．入院時右側腹部に疼痛あり．経腹超音波で子宮右側に61×34mmの嚢腫像あり，白血球8800/mm3，CRP 0.4mg/dl，FHRモニターはreassuring fetal statusで子宮収縮が頻回にみられた．右卵巣嚢腫茎捻転の疑い，切迫早産の診断にて当科に入院となった．入院翌日にMRI施行したところ子宮の右側に3×2×6cmの嚢腫が認められ内溶液はT2強調画像で抗信号，T1強調画像で低信号を示していた．画像上は典型的な卵巣嚢腫ではなく右下腹部痛も軽減していたため保存的に経過観察していたがその後下腹部痛が軽減しないため妊娠29週0日に手術となった．開腹所見では右の卵管水腫の茎捻転であったため右卵管切除術を施行し，術後経過に異常なく退院となった． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 352-352, 2003 |
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