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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
妊娠・分娩(2) 当科における筋腫核出術既往歴のある分娩症例についての検討
湯本 正寿1), 三沢 昭彦1), 中島 邦宣1), 松本 隆万1), 高田 全1), 柳田 聡1), 篠崎 英雄1), 鈴木 永純1), 小林 重光1), 神谷 直樹1), 安田 允1), 田中 忠夫2)
東京慈恵会医科大学附属柏病院産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科2)
子宮筋腫核出術後の分娩では子宮破裂のリスクが増大するとされ,分娩様式の適応については諸家より報告がある.今回我々は1999年から2002年の4年間の間に当科で分娩した31例の子宮筋腫核出術既往症例につき,若干の文献的考察を加え報告する.31例のうち帝王切開例は4例,経腟分娩例は27例であった.帝王切開適応の内訳は2例が社会的適応による待期的帝切で,残りの2例が胎児仮死による緊急帝切であり,緊急帝切例はいずれも分娩時間が遷延していた.経腟分娩例のうち正常分娩例20例,吸引分娩例5例,鉗子分娩例2例であった.経腟分娩例で分娩時間非遷延例は24例,遷延例は3例であった.吸引および鉗子分娩の適応は胎児仮死4例,分娩停止3例でありこれらはいずれも出口部狭窄または巨大児によるものであった.分娩時の総出血量が500g以下の症例は20例,500gを超える症例は11例であった.新生児仮死はすべての症例において認めなかった.子宮筋腫核出術後の分娩はハイリスクではあるが,経腟分娩可能な症例も多く含まれており,慎重な管理のもとであれば経腟分娩を選択肢の一つとして検討すべきであると思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
353-353, 2003
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