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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
妊娠・分娩(2) 妊娠11週に原田病を発症した一症例
河野 照子1), 山中 智哉1), 深田 幸仁1), 伊東 敬之2), 島津 由加里2), 星 和彦3)
国立甲府病院産婦人科1), 塩山市民病院産婦人科2), 山梨大学付属病院産婦人科3)
原田病は両眼に急性びまん性ぶどう膜炎を発病し急激に視力低下をきたす疾患で,メラニン細胞を侵す自己免疫疾患と考えられている.妊娠中に原田病を発症した場合,症状増悪のため妊娠を中断している報告が多く,分娩にいたった症例の報告は数少ない.今回我々は妊娠11週に原田病を発症した一症例を経験したので若干の文献的考察を含めて報告する.【症例】40歳,5回経妊,2回経産.妊娠11週に突発的な眼痛とともに両眼の視力低下を生じたが放置.妊娠13週に眼科受診したところ視神経乳頭の発赤腫脹,虹彩後癒着が認められ,原田病と診断された.眼症状以外の髄膜炎症状,内耳症状,皮膚症状は認められなかった.妊娠15週から妊娠17週にかけて,しょう液性網膜剥離が増悪したためステロイド結膜下注射を行ったが,それ以外はステロイド点眼のみで症状改善された.妊娠28週頃からIUGR傾向と子宮収縮認められたため妊娠28週から妊娠30週まで前医にて管理入院し,塩酸リトドリン内服していたが児発育不良のため,妊娠32週に当科紹介入院となった.現在妊娠管理中であるが,原田病の再燃は認められていない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
353-353, 2003
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