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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
妊娠・分娩(2)
統合失調症合併妊娠において電気けいれん療法を施行した2例


小原 久典, 芦田 敬, 岡 賢二, 山崎 悠紀, 村中 愛, 金井 誠, 小西 郁生
信州大学産婦人科


 妊娠中の統合失調症に対して,通常行われる治療は抗精神薬を用いた薬物療法であるが,これに抵抗性の場合には,電気けいれん療法(ECT:Electroconvulsive therapy)が有効な場合がある.今回,妊娠中に精神症状が増悪したために精神科入院となり,薬物療法を行うも無効であるため妊娠後期にECTを施行し,良好な分娩経過を得た2例を経験した.症例1は37歳初産婦.33歳より統合失調症のため薬物療法を受けていた.妊娠32週に症状増悪したため,当院精神科に入院となった.薬物療法に抵抗性であり,妊娠34週よりECTを5回施行した.ECT後精神症状は改善し,抗精神薬の内服のみにて安定した状態となった.産科的経過は良好で,妊娠41週2日に陣痛発来し3184gの児を経膣分娩した.症例2は28歳初産婦.14歳にて統合失調症を発症した.妊娠36週に症状増悪にて当院精神科に入院した.薬物療法に抵抗し,妊娠37週よりECTを5回施行した.初回ECT施行時,本治療との関連は不明ではあるが児に一過性徐脈が見られた.ECT施工後,精神症状は著明に改善し,抗精神薬の内服のみにて安定した状態となった.妊娠40週5日に2824gの児を経膣分娩した.妊娠中のECTは有効であり,薬物療法抵抗性で精神症状のコントロール不良の場合ECTは有効な選択肢の一つと考えられた.ただし厳重な胎児心拍モニタリングを行い,急速遂娩の可能性も念頭に置くべきと思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 354-354, 2003


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