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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
妊娠・分娩(3)
周産期の出血性脳血管障害について


近内 勝幸1), 高安 義弘1), 三原 卓志2), 野村 可之1), 加藤 有紀1), 佐治 正彦1)
神奈川県立足柄上病院産婦人科1), 横浜市立市民病院産婦人科2)


 周産期に発症する脳血管障害は,稀ではあるが重大な合併症のひとつである.我々は比較的短期間のうちに異なる原因による出血性脳血管障害3例を経験したのでここに報告する.【症例1】22歳,0経妊0経産.妊娠33週切迫早産及び意識障害で受診.救急車を要請したころより意識レベルが低下した.病院到着時血圧は200/100mmHg,痛み刺激で顔をしかめる程度で右片麻痺を呈していた.意識障害のまま経膣分娩したが,直後の頭部CTで脳内血腫を認めたため,頭蓋内血腫除去術を施行した.高血圧性脳内血腫と診断された.【症例2】27歳,0経妊0経産.妊娠38週,突然の頭痛と嘔吐で受診.来院時はほぼ意識清明で明らかな神経障害は無かった.頭部CTでくも膜下出血を認めた.MRアンギオを行ったところ右内頚―後交通動脈分岐部に動脈瘤を認めた.全身麻酔下に帝王切開後,脳動脈瘤クリッピング術を施行した.【症例3】26歳,1経妊0経産.分娩時に頭痛があったものの軽快したためそのまま退院した.2週間後に軽度のめまい,頭痛があり受診した.来院時意識清明で神経障害は無かった.頭部CT・MRIの結果,右頭頂部に出血の跡と思われる高吸収域と中脳背側に軽度高吸収域を認めた.脳血管撮影を行ったところ多発性脳動脈瘤奇形と判明し,摘出術を行った.【まとめ】出血性脳血管障害の原因は,脳動脈瘤あるいは脳動静脈奇形がほとんどである.妊娠の有無にかかわらず,脳血管障害は緊急を要することが多い.意識障害はもちろん,軽度の頭痛やめまいの中にも脳血管障害が潜んでいることを自覚し,疑われればCT・MRI等の画像検査を速やかに行うことが重要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 355-355, 2003


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