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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
妊娠・分娩(3)
モヤモヤ病(Willis動脈輪閉塞症)合併妊娠の妊娠分娩管理法に対する検討


平光 史朗, 古賀 祐子, 寺内 公一, 久保田 敏郎, 麻生 武志
東京医科歯科大学生殖機能協関学


 モヤモヤ病(またはWillis動脈輪閉塞症)は日本人女性に好発する原因不明の比較的まれな脳血管性疾患であり,その妊娠分娩管理法は確立されていない.最近12年間に我々が経験した7例のモヤモヤ病合併妊娠について報告する.症例は22歳から35歳(平均年齢:28.7歳)の7例(初産婦6例,経産婦1例)で,全症例ともモヤモヤ病を妊娠前に発症した(EDAS施行4例,STA+MCA吻合術1例,2例は不明).分娩時の妊娠週数37週4日〜38週3日で,分娩様式は全症例とも選択的帝王切開術を施行,麻酔は腰椎麻酔5例,m-NLA1例,腰椎麻酔+硬膜外麻酔1例であった.出生児は男児2例,女児5例で出生時体重2270g〜3154g(平均2805g)APGAR score 1分後7〜9点/5分後9〜10点と状態良好であった.自験例に現在までの本邦および諸外国の報告例を加え妊娠分娩管理法について考察した.妊娠前発症例は妊娠中も病態が安定しており,腰椎麻酔下での帝王切開術によって母児ともに比較的良好な予後が期待できる.一方妊娠中発症例では高率に頭蓋内出血を起こし母児ともに予後不良であるが,発症後速やかに根治術を施行する事によって母児ともに予後の改善が期待できる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 355-355, 2003


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