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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
妊娠・分娩(3)
大動脈瘤合併妊娠の2症例


永井 敦, 芥川 修, 磯 和男, 柳下 正人, 井坂 恵一
東京医科大学産婦人科


 大動脈瘤合併妊娠の報告は少ないものの妊娠,分娩,産褥経過ともに母体の循環動態,血液凝固能も著しく変化するため危険性も高い.今回我々は発症病態は違うが,ステントグラフト内挿術適応の大動脈瘤合併妊娠の2症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.【症例1】32歳0経妊0経産.14歳時外傷性胸部大動脈瘤にてラッピング術施行,その後胸部大動脈瘤は経過順調であった.平成14年5月28日〜6日間を最終月経にて妊娠.その後,近医にて妊娠管理を行っていた.妊娠28週5日子宮収縮認め切迫早産の診断にて他院に入院となった.既往歴から胸部CTを施行し胸部大動脈瘤(約2cm)認めた為,当院心臓血管外科および産婦人科に紹介となった.入院後,心臓血管外科と検討を行い,平成15年1月21日妊娠33週3日腹式帝王切開術及び,ステントグラフト内挿術を施行した.児は2058g男児Apgar Score 9点(1min)であった.産科的術後は良好で,心臓血管外科的には産褥15日目の造影CTにて瘤内血栓化を認め退院となった.【症例2】32歳0経妊0経産.19歳で右鎖骨下動脈に炎症性動脈瘤認め,右鎖骨下動脈瘤切除術施行.その後更に腹部大動脈瘤指摘され,近医にてフォローされていた.平成14年2月,妊娠を希望したため当院心臓血管外科に紹介となり,同年4月15日ステントグラフト内挿術施行.経過良好にて妊娠許可され,同年6月16日〜5日間を最終月経にて妊娠.妊娠経過は順調であった.妊娠37週1日帝王切開目的にて入院し,精査後妊娠37週5日帝王切開術となった.児は2710g女児Apgar Score 9点(1min)であった.術後経過良好にて産褥9日目に母子ともに退院となった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 356-356, 2003


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