関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
妊娠・分娩(5)
帝王切開後の腹壁創部に壊死性筋膜炎を呈した症例


五十嵐 敏雄, 金子 英介, 川村 久恵, 中川 圭介, 山藤 晶子, 上里 忠和, 大岡 史子, 貝原 学, 梁 善光
帝京大学附属市原病院産婦人科


 壊死性筋膜炎は細菌の混合感染等で起こる筋膜から皮膚にかけての急性化膿性炎症で急速に広範囲の壊死を起こす疾患であるが,腹部手術後に報告された例は少ない.今回我々は帝切後子宮の梗塞性壊死・膿瘍形成後に腹壁創部の壊死性筋膜炎を呈し治療に苦慮した症例を経験したので報告する.【症例】33歳,1回経産婦.前医で帝王切開施行後に高熱の持続・創部離開を認めたため当院に紹介となった.39度の発熱が持続し,白血球数23200/mm3,CRP2 9.5g/dlと炎症所見が著明なため,抗生剤・γグロブリン投与を行ったが改善せず,むしろ創部の表皮剥脱が側腹部方向へ急速に拡大していった.MRI検査で子宮前面に膿瘍および筋層の異常が認められたことから,帝切後15日目にやむなく子宮全摘および皮膚生検を行い同時に強力な抗生剤(IPM/CS/VCM)を投与したところ,炎症所見は著明に改善し創部の拡大所見も消失した.皮膚科臨床的に創部は壊死性筋膜炎と診断され,原因として表皮ブドウ球菌等が考えられた.摘出子宮は左側を中心に梗塞性壊死を認めた.手術後感染は完全に沈静化したが巨大な表皮欠損部が残り,創傷処置のために入院を約3ヶ月継続して外来管理が可能となった.【考察】壊死性筋膜炎の治療は壊死組織の切除と早期の強力な抗生物質投与である.腹部手術後の発症報告例は少ないが,感染の重症化に伴って異常な表皮剥離が進行する例には本疾患を念頭に入れる必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 364-364, 2003


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会