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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
妊娠・分娩(6)
sinusoidal patternを示した胎盤後血腫の症例


小田切 幸平, 渡辺 尚, 鈴木 寛正, 竹井 裕二, 桑田 知之, 松原 茂樹, 鈴木 光明
自治医科大学産婦人科


 妊娠中毒症の妊婦において,胎児心拍数図上sinusoidal patternを呈したため帝王切開術を施行,胎盤後血腫と児貧血を認めた症例を経験した.症例は25歳,初産婦.妊娠28週より尿蛋白陽性で,同時期より児の発育は不良となった.妊娠31週0日に3〜4分毎の子宮収縮が認められ,妊娠中毒症・子宮内胎児発育遅延・切迫早産の診断にて,当院へ母体搬送された.入院時,血性の腟分泌物と羊水過少(Amniotic Fluid Index 3.3cm)を認めた.胎児心拍数図上はなめらかなサイン曲線を示し,1分間で3〜4サイクル,振幅は10 bpm内外でsinusoidal patternと判定された.尿蛋白は2.2g/dayで,血圧は入院時130/75mmHgが,2日後には160/95mmHgまで上昇し,sinusoidal patternは再現性を認めたため,妊娠中毒症・胎児ジストレスの診断にて妊娠31週2日に緊急帝王切開術を施行した.児は882gの男児,アプガースコアは1分値・3分値,それぞれ8点・9点であった.胎盤辺縁部に,胎盤母体付着面の10%内外の面積を有する後血腫を認め,常位胎盤早期剥離と診断された.児には貧血(Hb 8.1g/dl)を認めたが,輸血治療にて改善し,生後91日目に退院した.母は術後経過良好で7日目に退院した.本症例では妊娠中毒症,胎盤機能不全により子宮内胎児発育遅延が生じ,さらに胎盤早期剥離の発症とともに絨毛組織の断裂,胎児血流出が起こり,胎児貧血となり,胎児心拍数図上sinusoidal patternを呈したと推測される.胎児心拍数図上再現性のあるsinusoidal patternが出現した場合には,常位胎盤早期剥離による胎児貧血発症の可能性も考慮に入れて,急速遂娩の是非を十分に検討する必要がある.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 366-366, 2003


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