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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
胎児・新生児(2) 胎児期に心臓腫瘍を認めた結節性硬化症の1例
黒田 健治, 平池 春子, 宮崎 泰人, 瀧澤 弥栄子, 堀江 弘二, 塩津 英美
焼津市立総合病院産婦人科
原発性心臓腫瘍は全剖検例の0.1%以下と稀な疾患であり,中でも横紋筋腫が最も多く,半数以上に結節性硬化症を合併するとされている.自然退縮例もあるが,妊娠中不整脈や心不全を発症する症例では緊急帝王切開を,出生後駆出障害をきたす症例では切除術が行われることもある.今回我々は,出生前に胎児超音波検査にて心臓腫瘍を診断し,結節性硬化症を疑った一例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は34歳,0経妊0経産.平成14年3月19日を最終月経とし,近医にて妊娠経過観察中妊娠34週時,胎児超音波検査にて心臓腫瘍を指摘され,当科へ管理入院となった.腫瘍は境界明瞭な円形の無茎性であり,均一な高輝度領域として描出された.右心室腔内に15mmを1個,左心室腔内に数mmを3個認め,結節性硬化症に合併する横紋筋腫を疑った.心機能・NSTには異常なく,妊娠38週5日分娩誘発とし,経過中不整脈を認めず順調に経腟分娩となった.出生児は3198g,Apgar score 9/9の男児であり精査管理目的に県立こども病院循環器科へ新生児搬送となった.心機能・脳波は正常であったが脳内石灰化を認め,結節性硬化症と診断された.現在,外来にて経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
374-374, 2003
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