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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
胎児・新生児(2)
妊娠28週以降に生じた羊水過少,後部尿道弁を疑った胎児の1症例


沼田 雅裕, 村越 毅, 小林 奈央, 上田 敏子, 成瀬 寛夫, 鳥居 裕一
聖隷浜松病院産婦人科


 緒言)今回我々は妊娠28週以降に胎児後部尿道弁による羊水過少をみとめ,出生後に腎機能は温存できたが重症新生児遷延性肺高血圧症を来した症例を経験したので報告する.症例)22歳,初産婦,妊娠28週6日に羊水過少症,下部尿路閉鎖疑いで精査治療目的に当院に紹介.24週までは羊水腔を認め,膀胱,腎臓も正常であったが,入院時,AFI 20mm,巨大膀胱および両側の腎盂,尿管の拡大がみられ,男児であることとKey hole signを認めたため後部尿道弁による下部尿路閉鎖を疑った.腎尿路系以外に合併奇形を認めなかった.胎児腎機能評価と治療を目的に妊娠29週より計4回の胎児膀胱穿刺を施行した.初回胎児尿中Na濃度86mEq/dl,Cl濃度79mEq/dlであり腎機能は良好と考えられた.胎児の成長は良好で,妊娠36週5日に陣発し,分娩停止のため帝王切開術を施行し2618gの男児を得るも第1啼泣を認めず,Apgar score 1点/3点であった.肺拡張不全のため,人工呼吸器管理となった.後部尿道弁によると思われる尿路閉鎖を認めた.尿道カテーテル挿入にて尿の流出あり腎機能は保たれていた.5生日に呼吸循環状態悪化し新生児死亡となった.剖検により後部尿道弁,両側尿管,腎盂拡張を認めた.肺体重比は2%で肺低形成を認めなかった.結語)胎児閉塞性尿路疾患の管理目標については,1つは腎機能の温存であり,1つは羊水過少を原因とする肺低形成,肺機能低下の回避である.本症例は羊水過少の状態が続きdry lungを来したものと思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 375-375, 2003


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