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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
胎児・新生児(3) 当科で経験した18トリソミー49例の検討
瀬戸山 琢也, 武井 美城, 勝俣 祐介, 橋本 栄, 平吹 知雄, 山中 美智子
神奈川県立こども医療センター周産期医療部産科
【目的】18トリソミーは出生後早期に死亡することの多い予後不良な疾患であるが,胎児期からの自然歴についての報告は少ない.今回,当科で経験した18トリソミーの診断と予後について検討した.【方法】開設以来当科で経験した18トリソミーと診断した49症例を対象として後方視的に検討を加えた.【成績】18トリソミーの胎児の発見週数は19週から36週の間で平均28.2週であった.当科に紹介された理由としては子宮内胎児発育遅延(IUGR)がもっとも多かった.胎児超音波所見の異常の内容としては49例中IUGR43例(88%),羊水過多34例(69%),心室中隔欠損42例(86%),小脳低形成41例(84%),心臓弁の異形成27例(55%),手指の異常22例(44%),単一臍帯動脈12例(24%),臍帯ヘルニア10例(20%),臍帯のワルトンの一部膨瘤10例(20%)などで,他に胃泡の消失(食道閉鎖の疑い)なども数症例に認められた.分娩週数は28週6日から42週1日の平均36.9週で分娩様式は経膣分娩43例(うち骨盤位10例),帝王切開術6例(前回帝切2例,前置胎盤1例,胎児仮死3例)であった.出生児の予後は死産20例(うち子宮内胎児死亡11例,分娩時死亡9例),新生児死亡21例(早期19例,後期2例),乳児期死亡6例であった.【結論】18トリソミーの胎児の22%が子宮内胎児死亡に,18%が分娩時死亡になったことから,適切な周産期管理のためにも出生前診断が重要と考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
377-377, 2003
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