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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
胎児・新生児(4) 母体血清染色体検査(クアトロテスト)の当院における位置づけと受検状況およびその有用性の検討
江成 太志, 松山 玲子, 泉 徳子, 清水 泰樹, 祖母井 英, 竹田 善治, 中山 摂子, 坂井 昌人, 中林 正雄
総合母子保健センター愛育病院産婦人科
母体血清中のAFP,hCG,uE3を用いたトリプルマーカー(AFP3)と,これにInhibin Aを加えたクアトロテスト(AFP4)は染色体検査のスクリーニングとして有用であり,特にダウン症の検出率が向上するとされる.当院でも,1996年6月よりAFP3,1999年12月からAFP4を自ら希望した妊婦にのみ実施している.2002年では387名(うち日本人310名)が受検しており,分娩件数に対し27.8%が希望したことになる.今回,1996年6月から2002年12月の期間について受検者と追跡調査の結果を検討した.受検者の平均年齢は33.8歳だった. 当院では,結果により羊水検査に進むかどうかは妊婦の判断に任せている.羊水検査に進んだ妊婦(羊水群)は119名で羊水検査受検者の26.7%を占めた.羊水群において,T21のリスクは中央値で1/147(1/5-1/5100)であった.年齢についてみると,羊水群と羊水検査に進まなかった妊婦(非羊水群)の中央値はそれぞれ36.9(26.3-46.6),33.7(19.9-46.5)であり,羊水群の方が高く,年齢も判断に寄与する可能性が示唆された.羊水群において染色体異常の認められたものは4名(T21:1名,その他:3名)であった. 当院では,AFP3,AFP4検査結果の評価は妊婦の価値観によっているが,羊水検査を受検するかどうかの参考として有用に機能していると思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
379-379, 2003
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