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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
胎児・新生児(4)
Rh血液型不適合妊娠に対する胎児Rh血液型出生前遺伝子解析による妊娠管理


水野 鳳子1), 橋口 和生2), 奥平 忠寛1), 三箇島 睦実1), 岡野 浩哉1), 松田 義雄2), 安達 知子1), 太田 博明1)
東京女子医科大学産婦人科1), 東京女子医科大学産婦人科/母子総合医療センター2)


 【目的】近年,出生前診断として羊水穿刺等による胎児DNA採取から遺伝子診断を行い,胎児の疾患や状態を把握する技術が進歩してきている.今回,我々は羊水穿刺により胎児Rh血液型を出生前遺伝子診断しえたRh血液型不適合妊娠の1例を経験し,Rh血液型不適合妊娠例の検査としての本法の有用性を検討した.【症例】36歳1経産,血液型B,RhD(-).6歳時,交通事故が原因でRhD(+)血液の輸血を受け,抗D抗体を有するようになった.前回妊娠時,母体血間接クームス高値が持続したため,母体血漿交換を合計11回施行し,妊娠38週で分娩となった.出生児はRhD(+)であり,出生後に全身出血斑と溶血性貧血等重篤な所見を認め,交換輸血などの治療を要した.今回の妊娠では妊娠初中期に母体血間接クームス値や羊水中ビリルビン様物質測定値の上昇,および超音波検査での異常所見は認められなかった.これらのことから,胎児血液型がRhD(-)の可能性もあり,羊水穿刺により胎児DNAを採取し,PCR法によりRhD血液型の検索を行った.【結果】胎児血液型はRhD(+)で,血液型不適合が判明したため,分娩まで管理を続行した.妊娠37週に母体血間接クームス値の急激な上昇を認め,分娩誘発を行い出産となった.出生児は黄疸と貧血により光線療法と輸血を行うが,他に異常なく順調な経過で退院となる.【結論】胎児RhD血液型の予知により,妊娠中の管理の継続を考えることができた.Rh血液型不適合妊娠の頻度は本邦では少ないが,胎児血液型がRhD(-)であることが把握できれば,血液型不適合は起こらず,検査や治療などを一切中止することができるので,胎児RhD血液型の出生前診断は妊娠管理に有効である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 381-381, 2003


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