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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
奨励賞候補(1)
SCCの下降を指標としたIII-IV期子宮頸癌に対するconcurrent chemo-radiationの治療効果


安部 加奈子, 佐藤 豊実, 安倍 梓, 北 直喜, 渡邊 秀樹, 岡田 奈加子, 沖 明典, 角田 肇, 吉川 裕之
筑波大学臨床医学系産婦人科


 III-IV期子宮頸部扁平上皮癌の標準治療は放射線療法だが,最近はconcurrentにCDDPを併用する治療法が標準化している.われわれも,PSが良いことなどを条件に2001年11月からCDDP 30mg/m2を放射線療法中週1回4〜6回投与している.この治療効果を生存率の改善で評価するにはまだ数年を要する.そこで,短期的な治療効果の判定をSCCの下降程度を指標として行った.対象は,concurrent chemo-radiationを施行したIII-IV期子宮頸部扁平上皮癌症例のうち,治療開始前のSCCが3.0ng/ml以上であった10症例(A群)とし,比較対照群は同じ臨床進行期で主たる治療が放射線療法であった直近の10症例(B群)とした.放射線療法は全骨盤照射とRALSを標準とし,症例により子宮傍結合組織へのboost,傍大動脈リンパ節領域への照射が行われていた.治療開始前のSCCの中央値はA群が9.2(3.0-28.0)ng/ml,B群が7.7(3.8-102.0)ng/mlであった.RALSの開始前にSCCが1.5ng/ml以下となった症例はA群が5例に対し,B群は1例のみであった.A群のSCCの半減に要した日数は平均19.4日(中央値17(9-36)日)で有意(P<0.05)に,B群の25.9日(25(21-33)日)よりも短かった.SCCが腫瘍マーカーとなるIII-IV期子宮頸部扁平上皮癌ではconcurrent chemo-radiation治療症例はradiation単独治療例よりも早くSCCが低下することが判明し生存率の改善が期待できると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 384-384, 2003


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