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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
奨励賞候補(1) 絨毛性疾患87例の臨床的検討
中澤 正典1), 川島 茂樹1), 深澤 宏子1), 奈良 政敏1), 島 崇2), 大田 昌治2), 平井 光夫2), 大森 真紀子1), 端 晶彦1), 平田 修司1), 星 和彦1)
山梨大学産婦人科1), 社会保険山梨病院産婦人科2)
【目的】我々の経験した絨毛性疾患87例の臨床的検討【方法】1986年より2003年までに,我々の経験した絨毛性疾患87例を対象として,診断,年齢別発生数,年齢別発生率(出生1000あたり),続発症発生数,続発症発生率,絨毛癌の先行妊娠等を検討した.【結果】87例の患者の平均年齢は31.9歳であった.87例の内訳は全胞状奇胎30例,部分胞状奇胎43例,侵入奇胎6例,絨毛癌4例,存続絨毛症3例,PSTT 1例であった.全胞状奇胎と部分胞状奇胎の比率は1:1.43であった.全胞状奇胎の平均年齢は33.1歳,部分胞状奇胎の平均年齢は30.2歳で,年齢別発生数は全・部分胞状奇胎とも25-34歳が多かった.出生1000あたりの発生率では,全胞状奇胎は40歳以上で高頻度であったが,部分胞状奇胎では全胞状奇胎ほどの特徴的年齢分布は示さなかった.侵入奇胎の平均年齢は40.2歳であり,発生率(出生1000あたり)は40歳以上で高頻度であった.侵入奇胎を含む奇胎後続発症は10例で,続発率12.0%であった.奇胎後続発症の発症率(奇胎100あたり)は40歳以上で高頻度であった.絨毛癌の先行妊娠は全胞状奇胎1例,正常分娩1例,流産1例,人工中絶1例であった.【結論】全胞状奇胎および侵入奇胎の発生率は40歳以上に高頻度であった.侵入奇胎を含む続発症の発症率も40歳以上で高頻度であった.分娩年齢の高齢化,生殖技術の進歩などにより,今後全胞状奇胎,奇胎続発症の増加も考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
386-386, 2003
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