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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
奨励賞候補(3) 経会陰超音波による膀胱頸部の可動域からみた子宮脱手術の意義
小林 浩一, 永田 一郎, 大澤 洋之, 梶原 健, 岡垣 竜吾, 小川 博和, 畑 俊夫, 石原 理
埼玉医科大学産婦人科
子宮脱や膀胱瘤は,しばしば腹圧性尿失禁と合併し,中高年女性のQOLを著しく低下させる原因となっている.腹圧性尿失禁では,尿道の過可動や,尿道括約筋不全による尿道抵抗の低下が重要な病態とされている.今回我々は,本年1月から6月までの6ヶ月間に当科において行った子宮脱・膀胱瘤の手術症例18例に対し,術前・術後に経会陰超音波を行い,膀胱頸部の可動域の変化を観察することによって子宮脱手術の膀胱頸部に対する短期効果について検討した.【方法】手術症例に対し,手術当日,及び術後7日に内診台において経会陰超音波を行った.症例に対しては,検査直前に排尿しないことのみを指示し,膀胱内の尿量の程度は特に考慮しなかった.内診台における砕石位において,安静時から最大怒責時の膀胱頸部の位置の変化を観察,計測した.【結果】症例は平均年齢64.7歳,術式は,膣式子宮全摘を中心とした手術が行われたもの15例,腹式子宮全摘を中心とした手術が行われたもの2例,膣閉鎖術が行われたもの1例であった.術前の膀胱頸部の可動域は,15.06±5.05mmであり,全例手術により著明な可動域の減少をみた.術後7日における膀胱頸部可動域は,5.35±2.93mmであった.【結論】経会陰超音波による膀胱頸部の観察は,簡便で患者負担もほとんどなく膀胱頸部の観察が容易に可能であり,子宮脱手術後の経過観察に有用であると考えられる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
390-390, 2003
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