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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
奨励賞候補(3)
メトホルミン療法による排卵誘発難航症例の治療成績


近藤 憲一1), 神野 正雄1), 桃井 満礼1), 井上 保2), 岩下 光利1), 中村 幸雄1)
杏林大学産婦人科1), 北里サプライ2)


 目的:難治性不妊症例に説明と同意のうえメトホルミン療法を施行し,良好な妊娠率を得たので報告する.方法:clomiphene citrate(CC)+/-hCGおよびhMG-hCG無効の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)6例(年齢29.8+/-1.1歳,BMI 27.5+/-1.7)と,体外受精反復不成功の8例(既往不成功2.6+/-0.7回,年齢38.0+/-1.4歳)を対象とした.月経(または消退出血)第3日よりメトホルミン250mg/日の内服を開始し,副作用のないことを確認しながら500〜750mg/日に漸増し,これを維持した.PCOSでは,8週間しても無排卵が続くならCC+/-hCGを併用した.体外受精症例では,メトホルミン開始から8〜12週間後にlong法の卵巣刺激を行い,体外受精を施行した.メトホルミンの開始前,4週間および8週間投与後に,75goGTT,血中脂質,諸種ホルモン値を検査した.結果:難治性PCOS 6例のうち,全例が排卵を回復し,3例が妊娠に至り,流産はなかった(妊娠率50%).体外受精反復不成功例では,メトホルミン体外受精8周期中3周期が継続妊娠となり(継続妊娠率37.5%),同一症例の既往体外受精21周期での継続妊娠率0%に比し,有意に改善した(P<0.05).受精卵数(既往9.1+/-1.9 vs.メトホルミン11.6+/-3.2)および胚数(8.6+/-1.9 vs. 11.3+/-3.3)も,メトホルミン体外受精で増加した.またメトホルミン療法による検査dataの変化としては,insulin resistanceの改善と,総コレステロール,HDL,LDLの低下傾向が認められた.結論:メトホルミン療法は難治性PCOSや体外受精難航例に有効である.糖・脂質代謝の改善が難治性不妊治療に重要と示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 390-390, 2003


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