|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
奨励賞候補(3) IVF-ETによる妊娠成立後のプロゲステロン連日投与に関する検討
児玉 美央子, 類家 一男, 今井 美和, 安部 和子, 西郡 秀和, 五十嵐 茂雄, 伊藤 理廣, 峯岸 敬
群馬大学附属病院産婦人科
IVF-ET周期では,卵巣刺激時に用いられるGnRHアゴニストにより,内因性ゴナドトロピンの分泌が抑制されるため,胚移植(ET)後の黄体補充が必要となる.当施設では,ET直後より妊娠6週までの期間,プロゲステロン製剤25mg(高温相でのプロゲステロン測定平均値が10ng/ml以下の症例に対しては50mg)の連日筋肉注射を行ってきた.最近,ET後14日目におけるhCG陽性例(以下「妊娠例」と表記する)に対し,それ以降の黄体補充が不必要であるとの報告がなされた.また,当施設で,妊娠例と非妊娠例のET後5日目のプロゲステロン値を比較したところ,有意な差を認めなかった.そこで当施設においても,平成14年11月より妊娠例に対するET後14日目以降のプロゲステロン連日投与を中止し,流産率を検討した.平成14年1月から10月までの妊娠例61例(プロゲステロン製剤連日筋肉注射:P群)と,平成14年11月から平成15年5月までの妊娠例37例(プロゲステロン製剤連日投与中止:中止群)との妊娠8週までの流産率を比較した.流産率は,P群で18.03%(61例中11例),中止群で18.92%(37例中7例)であった.以上の結果,ET後14日目以降のプロゲステロン連日投与を中止しても,妊娠8週までの流産率を上昇させないことが示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
391-391, 2003
|