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第106回学術集会(平成15年10月5日)
【一般演題】
奨励賞候補(4) 非自己免疫性劇症1型糖尿病発生の後,インスリン持続皮下注(CSII)により分娩に至った一例
横山 普子, 平井 久也, 村上 浩雄, 鈴木 一有, 篠原 弘光
藤枝市立総合病院産婦人科
我々は以前,糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)で発生し,IUFDとなった非自己免疫性劇症1型糖尿病の症例を報告した.今回,同症例においてその後インスリン持続皮下注(CSII)により血糖コントロールを行い,順調に妊娠管理できた経験をしたため報告する.症例は38歳2経妊1経産婦.平成13年11月,糖尿病性ケトアシドーシスで非自己免疫性劇症1型糖尿病を発症し,妊娠30週でIUFDとなったため,DKA治療を行いながら死産に至った.以後,尿中CPR 0.3μg/dayと膵β細胞機能はほぼ完全に廃絶し,インスリンによる血糖コントロールを導入.平成14年5月,再度妊娠に至るもHbA1C7.9と血糖コントロール不良であったため,希望にて人工妊娠中絶術を施行.平成14年7月よりCSIIを導入し,HbA1C6.2程度に血糖コントロールの後,平成14年10月12日を最終月経として妊娠成立.CSIIによる持続的基礎注入と各食前の追加注入による血糖コントロールにより妊娠管理を行っている.妊娠35週の時点で1日総インスリン使用量約50U/dayにて血糖コントロールは良好.妊娠経過も順調であり,近日経膣分娩に至る予定である.非自己免疫性劇症1型糖尿病は,急激な発症に加え発症時より膵β細胞機能のほぼ完全な廃絶を認める等の特徴がある.妊娠中の発症も多いが,発症後次回分娩に至ったとの報告は少ない.今回当院にてCSIIにより妊娠中の血糖コントロールを行い,分娩予定日平成15年7月19日にて分娩予定の症例を報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3)
392-392, 2003
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