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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
奨励賞候補(5)
産科領域における血栓性肺塞栓症の最近の病像についての検討


村山 敬彦1), 斎藤 正博1), 林 直樹2), 馬場 一憲1), 竹田 省2)
埼玉医科大学総合周産期母子医療センター母体胎児部門1), 埼玉医科大学総合医療センター産婦人科2)


 【緒言】1985-2000年の間,PTEによる3例の母体死亡を経験した.これらの経験から積極的に妊娠中及び産褥の血栓症予防につとめてきたが,2001-2002年度院内総分娩1700例においてPTE9例(1,000分娩に5.3例)を経験した.これら9例の病像を分析し,予防と早期発見,診断について考察する.【予防】活動制限が必要な妊婦には,弾性ストッキング装用を指導した.帝王切開時は術前より弾性ストッキングを装用し,術後Intermittent Pneumatic Compression(IPC)を実施し,早期離床を励行した.PTE発症リスクの高い症例においては,予防的ヘパリン投与を実施した.【早期発見と診断】術中より離床後まで経皮的動脈酸素飽和度モニター(SpO2モニター)を装着した.SpO2が95%以下まで低下し変動を示す症例について胸部X線撮影と血液検査を実施し,肺水腫や気胸,無気肺等を除外診断し,胸部helical CTや肺換気血流シンチグラムにてPTEを診断した.【症例】SpO2が変動し95%以下となった9症例は,全例PTEと診断された.下肢DVTを検出し得た症例は2例で,7例(78%)は検出できかった.4例は無症候性であった.【考察】症例の約8割に下肢DVTを検出できなかったことは,術後IPC装着と関連する可能性がある.診断にhelical CTは有用であるが,sensitivityで肺換気血流シンチグラムに劣ると考えられた.早期発見にSpO2モニタリングが有用であると考えられた.どの程度までのPTEを診断し治療する必要があるかは議論のあるところだが,少なくとも肺の酸素化を障害するものは治療の対象であると思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 395-395, 2003


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