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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
奨励賞候補(6)
胎児のEF,FSを指標に管理した1絨毛膜2羊膜性双胎妊娠(MD双胎)の4症例


土井 貴之1), 大久保 大孝1), 原 信1), 山本 信博1), 鹿野 共暁2)
富士宮市立病院産婦人科1), 磐田市立病院産婦人科2)


 MD双胎では,その10〜15%に発生するTTTSを念頭においた胎児管理が必要である.特に児の予後を左右する心不全の有無は重要であり,故に,胎児心機能評価としてCTARやPLI等が用いられているが,これらの指標のみでは児の予後改善には不十分であるのが現状である.胎児心不全徴候を逸早く察知する指標として我々はCTARやPLIに加え,Ejection fraction:EF及びFractional shortening:FSを計測し,管理したMD双胎4症例8名を経験したので報告する.平均在胎週数:34週4日(31週6日〜36週3日).平均出生体重:1878g(1420g〜2280g).discordancyの程度:7%〜16.0%.出生時の新生児Hb平均:15.8g/dl(11.9g/dl〜21.7g/dl).出生時の2児のHb格差平均:3.2g/dl(0.1g/dl〜9.8g/dl).新生児心不全治療の有無 全例なし.新生児挿管の有無 1症例1名.4症例はいずれも,週数を経るにつれて,受血児の右心系のEF,FSの低下を認めるようになっていたが,CTARやPLIの異常を来す前にterminationしており児の周産期予後は以上のように良好であった.これらより,MD双胎妊娠管理の際に児心不全徴候を逸早く察知する指標としてCTARやPLIに加え,EF及びFSを計測することが有用であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 397-397, 2003


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