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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【特別講演 ―先端的知見を臨床へ生かす―】
1.高次元医用画像技術を用いた手術支援システム


鈴木 直樹
東京慈恵会医科大学・総合医科学研究センター・高次元医用画像工学研究所


 われわれは,高次元(三次元,四次元)医用画像技術を用いて,医用バーチャルリアリティ技術の応用や,遠隔医用技術,人体動作解析技術などの基礎的な研究開発を行っており,さらにこれらを臨床現場へ応用できるシステムの開発も行っている.本発表では,バーチャル手術,イメージガイド手術といった手術支援システムに関する研究を中心に,本研究所での研究開発例を紹介する.
 まず,開腹手術を対象として,手術前の手技習得,計画などを可能にする手術シミュレーションシステムの開発を行っている.このシステムでは両手装着型触覚提示装置を用いて,両手に臓器に触れた感触を得ながら手術作業を実行することが可能である.この際,独自に開発した軟組織モデルを搭載しており,両手の作業に応じた臓器のインタラクティブな変形が表現できる.また,ロボット手術システムda VinciTMのためのトレーニング用手術シミュレーションシステムの開発を九州大学橋爪誠教授の研究グループと共同で行っている.本研究では,多拠点の遠隔地からロボット手術手技のトレーニングを行うことが可能なシミュレーションセンターの確立を目指している.同時に,da VinciTMのアームの可動範囲,あるいは症例に応じたトロッカーサイトを術前に最適な場所に配備できるプランニングシステムの開発も行っている.
 一方,術中ナビゲーションシステムとして,イメージガイド手術を可能にするためにData fusionシステムの開発を行っている.現在,これも九州大学橋爪誠教授の研究グループと共同で,da Vinciの腹腔鏡の動きに追従しながら術野ステレオ像上に目標物構造を重畳できるシステムの開発を行っており,これまでにこれを用いて胆嚢摘出術での適用に成功している.さらに,現在新しいタイプの手術用ロボットとして,二本の腕を持ち,小型のロボット本体が食道から胃に入って手術作業を行う,内視鏡ロボットシステムを開発している.またさらにこのロボットの術中の動きに追従して,その視野に術野方向,対象の内部構造をナビゲーションするためのシステムも開発を進めている.この機能により,体内で複雑に位置と姿勢を変える内視鏡ロボットの現在位置,手術対象部位のオリエンテーションを容易に得ることが可能となった.
 今後これらの領域の技術の発達により,外科医は実際の手術を施行する前に,緻密な手術計画や十分な手技のトレーニングを積み,術中に,イメージガイド下によって,より自由な手術を施行することが可能になると考える.以上,本研究所ではこのような高次元医用画像技術を用い,近未来の外科手術で活用できる新しい治療法を一日でもはやく生み出すことができればと考えている.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 106-107, 2004


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