|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
子宮悪性腫瘍1 子宮頸部より発生したUterine Tumor Resembling Ovarian Sex-Cord Tumorと考えられた一例
種元 智洋1), 石塚 康夫1), 北條 めぐみ1), 長尾 充1), 久志本 建1), 清川 貴子3), 田中 忠夫2)
町田市民病院産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科2), 東京慈恵会医科大学病理3)
今回われわれは子宮頸部より発生したUterine Tumor Resembling Ovarian Sex-Cord Tumorと考えられた一例を経験したので報告する. 症例は46歳女性.下腹部腫瘤感を主訴に当科初診.経膣超音波断層法で子宮の後壁に直径10cm大の内部不均一な充実性腫瘤を認めたが,両側卵巣に腫大はなかった.子宮頚管細胞診はclass I,子宮内膜細胞診は陰性.腫瘍マーカーはCA125 12U/ml,CA19-9 5U/ml未満であった.開腹所見では子宮体部及び両側卵巣は正常で,後腹膜に発育する直径10cm大の嚢胞性腫瘍を認めた.嚢胞内容は血性で,嚢胞壁は不均一に肥厚し内腔に隆起する充実性成分も認めた.組織学的に,子宮頚管間質に嚢胞形成性腫瘍を認めた.腫瘍は,嚢胞壁および充実性部分とも類円形細胞の索状配列ないしびまん性増殖よりなり,充実性部分では好酸性物質を含む濾胞形成やCall-Exner body様構造も認めた.核クロマチンは淡く小型の核小体を有し,核分裂像を散見した.以上より子宮頸部より発生したUterine Tumor Resembling Ovarian Sex-Cord Tumorと考えられた.子宮原発のsex-cord like tumorは,1976年ClementおよびScullyによりUterine Tumor Resembling Ovarian Sex-cord Tumorとして14例の症例が報告されており,非常に稀な子宮腫瘍である.現在外来経過観察中であるが再発兆候は認めていない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
131-131, 2004
|