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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
子宮悪性腫瘍2 パクリタキセル・カルボプラチン療法の奏効した子宮体癌4b期の一例
今井 文晴, 片貝 栄樹, 岸 裕司, 伊藤 郁朗
国立高崎病院産婦人科
近年,子宮体癌は増加傾向にあるが,進行症例では有効な治療法が確立されていない.一方ではパクリタキセルの子宮体癌に対する,高い奏効率が報告されている.今回われわれは,パクリタキセル,カルボプラチン(TJ)療法が奏効した4b期症例を経験したので若干の文献的考察も含めて報告する.【症例】75歳,4経妊3経産.高血圧および糖尿病にて近医にて治療中.平成15年1月頃より,労作時息切れを感じるようになり,4月,胸水貯留にて当院内科紹介.胸水細胞診にて,adenocarcinomaが認められた.CTやGIFなど全身検索行い,腹水貯留および子宮腫大があり当科紹介.エコーおよび内診にて子宮はやや腫大し内膜像は不整に肥厚,また,腹水も認めたれた.子宮内膜組織診にてEndometrioid adenocarcinoma G3.CA125は813U/mlまで上昇していた.子宮体癌4b期の診断にて当科転科.患者および家族にICを得たうえで,TJ療法(パクリタキセル 160mg/m2,カルボプラチンAUC 5)を開始した.4クール終了後,胸水および腹水は消失.5クール終了後の内膜組織診はgranulation tissue and necrotic tissue.6クール終了後のCA125は26U/mlと正常化した.現在,外来にて経過観察中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
136-136, 2004
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