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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
子宮悪性腫瘍2 当科における子宮体癌の治療成績―再発例・死亡例の検討を中心に
竹村 由里, 柿木 成子, 木下 健, 櫻庭 志乃, 中林 稔, 北條 智, 中田 真木, 中村 淳子, 安田 孝, 瀧澤 憲
三井記念病院産婦人科
当科の子宮体癌に対する標準的手術術式は,Ia期AEH(拡大単純子宮全摘術)+BSO+PLA,Ib期SRH(準広汎子宮全摘術)+BSO+PLA,Ic期以上SRH+BSO+PLA+PALAで,Ic期以上に術後化学療法としてG1,G2ではAP療法(ADM+CDDP),G3では当初はEP(VP16+CDDP)療法,現在はTJ(TAXOL+CBDCA)療法を施行している.1997年4月から2003年12月に治療した子宮体癌は108例で,その5年生存率はI期92.3%(74例),II期83.3%(6例),III期57.7%(23例),IV期53.3%(5例)であった.この108例のうち,他病死の2例(胆管癌,卵巣癌)を除くと,再発は14例(I期5例,III期9例),死亡は12例(I期3例,III期7例,IV期2例)であった.I期は5例が再発したが,2例はG1で再発治療により長期生存中である.3例は死亡したが,そのうち2例はCarcinosarcomaで化学療法が奏効せず,他の1例は心疾患のため十分な治療ができなかった.III期は9例が再発し,7例が死亡したが,7例中G3が3例あり化学療法に反応しなかった.2例は化学療法により長期生存中である.IV期5例中の死亡2例は1例がCarcinosarcoma,もう1例がG3で化学療法が奏効せず早期に死亡した.以上より,G1,G2の子宮体癌については術後照射ではなく化学療法にて良好な成績が得られているが,G3,Carcinosarcomaには有用な化学療法の開発が重要と思われる.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
136-136, 2004
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