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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
子宮悪性腫瘍3
腫瘍破裂にて発症した子宮肉腫の一例


渡辺 豊治1), 羽根 加奈子1), 伊藤 高太郎1), 山本 豊作1), 野口 浩2)
豊科赤十字病院産婦人科1), 国立松本病院産婦人科2)


 子宮肉腫は子宮体部悪性腫瘍のなかで数パーセントをしめる比較的まれな腫瘍である.最近われわれは,子宮肉腫が破裂し腹膜炎症状をひきおこして搬送され,MRIにて術前診断された一例を経験したので,報告する.症例は62才,1P1G,52才閉経.平成14年11月28日下腹部痛が出現し,11月29日近医を経て当科へ救急搬送された.来院時,腹膜刺激症状が著明で,MRIにて子宮体部腫瘍の破裂像が認められた.子宮肉腫の破裂と診断して開腹したところ,子宮底の腫瘍破裂部より腹腔内に出血と腫瘍塊が散布された状態であった.腹式子宮単純全摘出術,両側付属器摘出術および腫瘍除去,腹腔内洗浄を繰り返した.病理組織診断は癌肉腫で,高悪性度内膜間質肉腫および腺癌からなっていた.術後補助療法としてTJ療法を6コース施行し,経過観察した.その後平成15年12月急激な腹痛とともに左下腹部に触知可能な腫瘤塊が出現した.開腹したところ,腹膜播種再発巣による小腸穿孔によって付近の腸管が一塊となったものであり,小腸およびS状結腸切除,端々吻合,他の小再発巣の可及的摘出を行った.平成16年2月現在,本人および家族の希望により化学療法を行わず,外来にて経過観察中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 138-138, 2004


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