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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
子宮悪性腫瘍3 乳癌術後抗エストロゲン製剤クエン酸トレミフェン内服中に子宮体癌を生じた1例
長田 久美, 松原 正和, 本道 隆明, 木村 薫
厚生連篠ノ井総合病院産婦人科
近年クエン酸タモキシフェンの長期投与による子宮内膜癌発生の報告が増加しているが,類薬のクエン酸トレミフェンに関しての報告は少ない.今回われわれは乳癌術後,クエン酸トレミフェン内服中に子宮体癌を生じた1例を経験したので報告する.症例は72歳,5回経妊1回経産,2000年5月右乳癌にて手術後,放射線療法,全身化学療法を施行され,補助化学療法としてクエン酸トレミフェンを内服していた.2003年6月より不正性器出血を認め,9月前医を受診した.その際の内膜細胞診の結果はclassIIであったが,ホルモン活性ありとのコメントがあり,精査目的で10月10日当科へ紹介となり受診した.その際,内膜組織診にてendometrioid adenocarcinoma,well-differentiatedと診断され,11月5日,腹式単純子宮全摘術,両側付属器摘出術,骨盤内リンパ節廓清術を施行した.術中所見では左付属器領域で卵管と腹膜に軽度の癒着を認めたが,子宮,両側の卵巣に異常所見はなく,腹水細胞診はclassIIIであった.摘出物では子宮内腔に突出するポリープ状隆起を認め,ポリープ表面,前壁に不正部分を認めた.病理検査ではendometrioid adenocarcinoma G1と診断され,ポリープも癌におきかわっていた.筋層浸潤はなく,病変は内膜に限局しており,卵巣,卵管リンパ節転移は認めなかった.乳癌術後に補助化学療法として投与されるエストロゲン受容体拮抗薬は現在広く使用されているが,閉経後のような低エストロゲン環境下では弱いエストロゲン様作用を示すことにより,子宮に対し様々な増殖性変化をきたすことが知られている.今回の症例につき発癌との関係を若干の文献的考察を加えて報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
139-139, 2004
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