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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
子宮悪性腫瘍3 術後4ヶ月で左脛骨に骨転移が発見された子宮体癌の一例
正木 千穂1), 波多野 久昭1), 山崎 輝行1), 林 晶子2)
飯田市立病院産婦人科1), 長野県立こども病院周産期センター2)
子宮体癌の骨転移は比較的稀だとされている.今回我々は,術後4ヶ月で左脛骨に骨転移が発見された一例を経験したので報告する.【症例】49歳,3回経妊3回経産で,不正性器出血を主訴に2002年11月当科を初診した.12月子宮体癌の診断で,準広汎子宮全摘術,両側付属器摘出術,骨盤内リンパ節郭清術を行った.病理組織診ではstsageIc(筋層浸潤1/2以上,頚部浸潤なし,付属器転移なし,腹水細胞診陰性,リンパ節転移なし)endometrioid adenocarcinoma with squamous diffarentiation G1であり,術後50.4Gyの放射線照射を追加した.2003年3月に,痛みを自覚しはじめていた左下腿のレントゲンを撮影したところ,透亮像が認められた.整形外科で生検を行ったところ,体癌の転移が最も疑われた.同時に原発層を特定する目的で施行されたPETで,傍大動脈リンパ節転移も認められたため,まず左脛骨に対し30Gyの放射線療法を,その後TJ療法を追加した.傍大動脈リンパ節は有意に縮小したが,化学療法中に左脛骨の転移巣は増大したため,病的骨折も防止する目的で10月左脛骨転移巣の摘出術を施行した.術後化学療法を再開し,TJ療法が6クール終了した2004年2月にPETを再検したが,転移巣及び再発巣は認められなかった.今回の症例に関し,若干の文献的考察も加え,報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
140-140, 2004
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