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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
卵巣腫瘍1 当科で経験した卵巣粘液性悪性腫瘍の臨床的検討
鈴木 永純1), 飯田 泰志1), 安西 範晃1), 松本 隆万1), 中島 邦宣1), 高田 全1), 篠崎 英雄1), 小林 重光1), 神谷 直樹1), 安田 允1), 田中 忠夫2)
東京慈恵会医科大学付属柏病院産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科学教室産婦人科2)
1987から2004年までに経験した卵巣粘液性悪性腺腫(境界悪性,腹膜偽粘液腺腫含む)104例について,患者背景,治療法,進行期別予後などを検討した.症例の内訳は粘液性腺癌55例,境界悪性例45例,腹膜偽粘液腫4例であった.粘液性腺癌の内訳は,I期33例(うちIa期16例,Ib期17例),II期2例(IIb期1例,IIc期1例),III期10例(IIIb期3例,IIIc期7例)であった.腫瘍マーカー値に対する検討では,境界悪性例ではCA125よりもCA19-9の方が高頻度に異常値を示したが,粘液腺癌症例ではCA19-9よりもCA125が異常値を示した症例の方が若干多かった.進行期Ia期群に行われた治療は62.5%が手術療法のみ,37.5%が手術療法と化学療法の併用,Ic期群は52.9%が手術療法のみ,47.1%が手術療法と化学療法の併用であった.II期とIII期では2例を除いてすべて手術療法と化学療法の併用であった.2年生存率は全体で71.3%,進行期別にみるとI期80.3%(うちIa期88.2%,Ic期72.5%),III期50.0%であった.以上の結果に加え若干の文献的考察を加え報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
145-145, 2004
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