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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
卵巣腫瘍1 当科における,最近6年間の,卵巣癌の治療成績
中林 稔, 北條 智, 櫻庭 志乃, 木下 健, 竹村 由里, 柿木 成子, 中田 真木, 安田 孝, 中村 淳子, 瀧澤 憲
三井記念病院婦人科
1997年から2003年の7年間における卵巣表層上皮性間質性悪性腫瘍初回治療例は107例であった.当科の標準術式は,ATH+BSO+OM+Appe+PLA+PALAであり,107例中,初回もしくはNAC後の手術で標準術式が完遂できた例は,67例(62.6%)であった.Kaplan-Meier法を用いて検出した5年生存率は,臨床進行期別に,I期(22例)89.0%,II期(27例)80.4%,III期(43例)57.0%,IV期(15例)28.1%であった.Ia期8例中2例が再発した.1例は4年10ヶ月後にPALNに再発して現在治療中,他の1例は2年7ヶ月後に腹腔内再発し,2年10ヶ月で死亡した.Ic期14例中2例が再発し,1例は6ヶ月後に肝転移で再発し,9ヶ月で死亡した.他の1例は1年11ヶ月後に肺転移で再発し,現在治療中である.II期27例中,4例が死亡したが,1例は抗癌剤の副作用死であった.3例が癌死であり,そのうち2例は,それぞれ肝,骨転移,他の1例は腹腔内再発で初発し,いずれも癌死した.IIIb期は1例で,5ヶ月後に腹腔内再発,9ヶ月後に死亡した.IIIc期42例・IV期15例の合計57例では,22例が死亡した.このうち,11例は寛解導入できずに極めて早期に死亡した.11例は,臨床的に寛解導入できたが,腹腔内に7例,肝・骨・PALNに1例ずつ再発していずれも癌死した.以上より,当科の治療方針により臨床的に寛解導入できた場合には,腹腔内・肝・肺・骨が初回再発部位となりやすいことがわかった.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
146-146, 2004
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