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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))
【一般演題】
卵巣腫瘍1 当科におけるTaxol地固め療法の経験
近藤 憲一, 野口 顕一, 田中 逸人, 塩川 滋達, 岩下 光利, 中村 幸雄
杏林大学産婦人科
【目的】2001年のASCOで,Taxol+CBDCA(TJ)6コース後にTaxolを3コース追加する群と,12コース追加する群の無作為比較試験が報告された.その結果Taxol12コース追加群にて無病生存期間の有意性が認められ,標準治療奏効後の長期地固め療法の意義が示された.当科では上記の結果をふまえ,上皮性卵巣癌でTJ療法に奏功の得られた症例に対し,外来にてTaxolの隔週投与による地固め療法を行っている.今回,当科におけるTaxol地固め療法の認容性を検討した.【方法】上皮性卵巣癌に対して,卵巣癌根治手術後Taxol月1回投与(T:180mg/m2J:AUC6)またはTaxol週1回3投1休投与(T:70mg/m2J:AUC2)を6コース行った.そのなかで奏功の得られた症例に対し地固め療法の説明を行い,同意の得られた症例に地固め療法を行った.投与法は,Taxol単剤100mg/m2を隔週毎に外来にて月2回点滴静注した.6ヶ月終了後本人に治療継続の意思を確認し,治療継続の了解が得られた症例にはさらに6ヶ月の追加治療を行ない,毒性,治療遅延を含む認容性に関して検討した.【結果】2004年1月までに7例が登録された.1例がPDにて脱落,本人の希望により6ヶ月にて終了した1例を除き,現在5例が治療継続中である.治療の遅延はなく,血液毒性,非血液毒性は認められなかった.【結論】外来におけるTaxol隔週投与による地固め療法は,毒性および認容性の低下はなく施行可能であると考えられた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2)
146-146, 2004
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