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第107回学術集会(平成16年6月20日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍2
Paclitaxel+Carboplatin併用化学療法(TJ療法)中に出現したCarboplatin過敏反応の3症例


岡本 三四郎, 藤井 和之, 高野 政志, 芝崎 智子, 佐々木 直樹, 工藤 一弥, 喜多 恒和, 戸出 健彦, 菊池 義公
防衛医科大学校産婦人科


 (緒言)上皮性卵巣癌の初回化学療法としてPaclitaxel+Carboplatin併用化学療法(TJ療法)が標準化されて,特に6コース以上施行例では,Carboplatin過敏症が出現しやすく,アナフィラキシーショックで死亡例も報告されており,過敏症出現時には迅速な対応が必要である.今回我々は,TJ療法中にCarboplatin過敏症の3例を経験したので文献的考察を踏まえて報告する.症例1:54歳婦人.2経妊2経産.卵巣漿液性腺癌IIIc期の診断でTJ療法11コース目を施行中に顔面紅潮,気管支攣縮,口渇感が出現した.以後CDDPに変更し計4コース施行し,現在無病生存中である.症例2:35歳婦人.1経妊1経産.卵巣漿液性腺癌IIIc期の診断でTJ療法16コース目を施行中に顔面紅潮,気管支攣縮が出現した.以後CDDPに変更し計3コース施行するも奏効せず,現在CPT-11+CDDP併用化学療法6コース施行中である.症例3:40歳婦人.1経妊1経産.卵巣漿液性腺癌IV期の診断でTJ療法8コース目を施行中に顔面紅潮,気管支攣縮,血圧低下が出現した.以後Paclitaxel単剤で2コース施行し,現在無病生存中である.いずれの症例もCarboplatin投与後30分以内に過敏反応が出現しており,顔面紅潮,気管支攣縮を伴った中等度から重度の過敏症と判断し,Carboplatin投与を中止し,ステロイドの点滴投与および補液を行い症状は改善した.以後重篤な過敏反応は出現していない.(結論)Carboplatinを含む化学療法を行う場合,投与回数が6コース以上の症例では,Carboplatin過敏症にも十分考慮に入れ化学療法を施行すべきと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(2) 148-148, 2004


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